※今回の最高の一枚
5月の就活も最終局を迎え、梅雨の時期に突入していた。初めての名古屋だが、天気は雨で気分転換の観光も出来そうにない。そう思っていたが就活を終えると天気は重々しくも曇天だった。少しくらい観光するかと名古屋城へ向かった。
―名古屋市(尾張国)
伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ、尾張名古屋は城で持つ
そう謡われる名古屋城だが、江戸時代から在った国宝の天守閣や本丸御殿は灰燼に帰しており、大阪城や岡山城の内部の情緒感の無さを知っていた自分には、大阪城の名古屋版程度にしか考えていなかった。
実際に訪れてみたが、二の丸へと踏み入れた段階ではその印象は覆らなかった。
何やら「名古屋城まるはち博覧祭」なる祭りが催されていた。この時期に祭りとは珍しいな、としか思っていなかったのだが…
織田信長生誕の場所とも云われている那古野城跡の案内看板が城内に在った事だけが、
少し興味を惹いたのみだった。
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そして御深井丸や西之丸と言った本丸周辺を二之丸から反時計回りに回っていく。
本丸北東部は修復中のため立ち入る事が出来なかったが、旧東鉄門までの通りはくるみ林となっており、都会でありながらひと時の森林浴を楽しむ事が出来た。
この時はとある事情より通常は公開されていない乃木倉庫や北西隅櫓の内部が見学出来る様になっており、この時から大阪城とのイメージに差が生じ始めていた。
東南隅櫓
旧東鉄門(本丸東二之門跡)
清正石
修復中の西南隅櫓と大天守
乃木倉庫
西北隅櫓(清洲櫓:内)
御深井丸茶屋
天守礎石
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そして旧鉄門から本丸へ。やけに人がごった返している。祭りの所為かと思ったが、よく見ると何やら真新しい建物が視界に入った。と言うよりも脳が認識した。本丸御殿である。実はその瞬間まで、 名古屋城の本丸御殿が復元されている事を知らなかったのだ。
だから本当に驚いた。そして凄く幸運だと思った。訪れておいて良かった、と。
逸る気持ちを抑え、先ずは天守閣へ。全く期待などしていなかったのだが、3階のコーナーがどうして中々面白い。広島城天守閣と同様に当時の藩主から庶民までの生活を垣間見る事が出来る、良質の展示だった。
そして急に決まった本命の本丸御殿へ。時間帯の影響もあってか、初日の割には少ない気もするが、却って好都合ではあった。真新しい建物の内部はやはり真新しいが、それ故に美しさも際立っていた。
そして復元工事中の様子を見学する事も出来た上に、木材の切り出し時に生じた端材を無料で配布していたのも、城郭ファンとしては嬉しかった。
因みに城郭の御殿を訪れるのはこれで3箇所目。
1箇所目が佐賀城の本丸御殿で、2箇所目が熊本城の本丸御殿である。
特に熊本城のものは名古屋城のものと同じくらい金色に輝いていた印象がある。
名古屋城は近々、天守閣も木造で再建し直すそうで、2013年にはその事業に着手し始めると宣言した様だ。
もし木造で再建された暁には日本三代名城は
「名古屋城」「姫路城」「熊本城」の三城になると断言しても良い。
恐らく全国の城郭ファンにも殆ど異論は出てこないんじゃないだろうか。
本丸表一之門跡
本丸御殿中之口間側
本丸御殿玄関
玄関一之間
玄関二之間
表書院三之間
表書院二之間
表書院一之間
表書院上段之間
表書院上段之間2
復元中の表書院
復元中の表書院2
不明門
小天守
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本丸を出て、西の丸から時計回りに城を一周する。西北隅櫓を撮り終えた後、残念ながら電池切れとなってしまった。そろそろ変えのバッテリーを購入する必要が有る様だ。
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こうして当初の期待値を遥かに上回った名古屋城だったが、まだまだ本丸御殿の完成すら先の話。
名古屋城の復元計画全てが完了した暁には、同じく全域の復元を試みている我が地元鳥取城と並びもう一度訪れたいものである。
その頃にはもう30代…立派な大人に成れているだろうか。
就活を止め、専門学校への進学を決断したのは少し先の事であった。
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