※今回の最高の一枚
―高梁市(備中国)
岡山で迎えた旅行2日目、誕生日の朝7時。この日は前日から一転して、噓の様な晴天だった。
目的地である備中松山城の様に標高の高い山頂に在る場合、これ位の天気でなければ安心出来ない。
新見行きの電車に乗り、高梁市へ。およそ1時間半後に備中高梁駅に到着した。
臥牛山は見えるが天守閣は木々に隠れているのか見えない。どんな城なのか、ますます期待に胸が膨らむ。
予定したバスに乗り込むとバスの運転手曰く「このバス松山城まで行かないからタクシー使いなよ。」との事。
じゃあ何故松山城登山口と言う停留所があるのだろうか…。
ひとつ後の便の運転手にもタクシーを勧められ、時間を盗っては何だし、とタクシーに乗ったが
…メーターが上がる度に生きた心地がしなくなる。
これアカンやつや。
結局車が乗り入れられなくなる場所(休憩場所)で降り、15分ほど山を登った。
休憩場所には案内標識が在るが、土地勘が無いとこれ位の案内標識では不安になる。
そんな道を突き進むと先ず目に見えてくる石垣群がこれ。
中太鼓の丸と言う曲輪に在った中太鼓櫓跡の石垣である。
目印の無い山道を進んでいるとこの道で合っているのかと不安になるが、そんな不安を霧散させてくれる頼もしい存在だ。
所で櫓が在ったと思われる場所には瓦の破片が散乱していたが、これは当時の物なのだろうか…。
櫓跡からは市街地を一望する事が出来る為、良い息抜きにもなる。因みに本丸や天守閣からの眺めは余り利かない。ここが一番見晴らしが良いのである。
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日本で2番目に高い場所にある城との事で、かなりきつい。
ただそれだけに、標高400m近くのこの場所にはおよそ似つかわしくない人工的な石垣群がお目見えした時はもの凄く幸せな気分になれたのも事実である。
やっと大手門跡に到着したのだから。
…が。カメラのバッテリーが切れかけてる。一昨日充電したはずなのだが。
動画を撮ったのが拙かったのか…取り敢えず大切な時に取れなくては困るので、ここから余りバンバン写真を撮れなくなった。
本丸を目前にこれは、少し悲しい。
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そうして到着した備中松山城二の丸。山頂に在る為か、風がかなり強い。
暴風と言って差し支えのないものだった。
ただ雨が降っていないので昨日ほど精神的にはこない。凄く寒かったが。
冬の、それも天気の悪い日などはかなり堪えられるかどうか…。
運は少しばかり残っている様だ。そう思いながら進んだ先には、待ちに待った「日本一高い場所に在る現存天守閣」が堂々と構えていた。
本丸へと繋がる門を潜ると一層、その威圧感をひしひしと受ける。
天守閣の規模は極めて小さいが、そう感じさせない何かが有るのだろうか。
期待外れ感は一切無かった。
天守閣の内部は実戦を見据えた急傾斜の階段や立派な石落し、武者窓や囲炉裏と言ったものが有る他、御社壇と呼ばれる神棚も有った。丸亀城と同様に、大きな梁や大黒柱が厳かさを演出しており、立ち去る事に少し名残惜しさを感じる。
帰り際に小窓から撮った二重櫓の写真は、フォトフレームに収めたかの様な構図になり、
少し芸術っぽい感じがした。
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本丸を出て、平櫓跡などの写真を収める。嘗ては少なくとも十つは平櫓が在ったらしい…二、三、四の平櫓跡は撮り損ねただけだが…一の平櫓跡は何処だろう??分からなかった。
天守閣の裏手に当たる水の手門脇曲輪へ向かう途中、折角なので二重櫓も間近で見ようと思い、寄り道をする。
中には入れない様だ。残念。諦めて水の手門脇曲輪へ向かおうか。
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水の手門脇曲輪への通り道や曲輪内から撮る二重櫓と天守閣の連なりは、大手側からの雰囲気とは違い、荒々しい武者を想わせる。びっしりと復元された姿も良いが、これはこれで良いかも知れない。
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帰りはお金の節約も兼ねて自然道から下山。これどう考えてもバスで良いじゃん、と思った。
途中軽く雪が降ったようだが、それも大した問題ではない。余程足腰の弱い年寄りでもなければ全く苦にならない距離&勾配だろう。
山を降りてからの町並みも美しい。それもその筈。だって紺屋川筋と言う美観地区なのだから。
しかも案内標識まで在る。
凄く損した気分になったがまあそう言う事もあるよね、と諦めた。だって仕方ないし。
駅へ行く途中、県内最古の基督教会や趣の有る建物を見てバスすら使わず徒歩で行くべきだったと後悔した。
高梁基督教会堂
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駅に到着した後はなりわ屋とか言う飲食店で備中うどんなるものを食べた。蛸?や野菜のてんぷらが入っており昨日の梅干うどんにも引けを取っていない。
今回の旅は食事面では完全にアタリだった。
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そして薬師院、松連寺へ。寺院と言う名目で城に準ずる機能を持たせているだけあってか、
遠目にはちょっとした城の様にしか見えなかった。
因みに「寅さん」や「八つ墓村」のロケ地らしい。
松連寺・薬師院
ロケ地記念碑
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そんなこんなで予定より2時間近く早めに切り上げ、いざ岡山市へ…。
名残惜しく感じつつも備中高梁駅から、高梁市を発つ。
長旅の疲れはあるものの楽しみがそれを上回っていた気がする。全然辛くなかった。
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